素因数分解とは?

「素因数分解する」とは「素数ではない数を、素数の積の形であらわす」という意味です。

わかったような、わからないような…。

そこで「素因数分解する」とは、どういうことなのか具体的な数を使って説明します。

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ある数を、かけ算の形であらわしてみましょう!

(例題1)8をかけ算の形であらわしてください。
※ただし、「×1」のように1は使わないでください。

8をかけ算の形であらわすと、つぎのようになります。

「2×4」
※「4×2」も同じです(かけ算は数を入れ替えても同じ)

例題の問いかけ方だと、これも正解ですが、もう少しいろいろと考えてみましょう。

さて、ここで「2×4」の「2」に着目してください。
2をかけ算の形であらわすと「1×2」しかありません。1は使わない約束なので、2は2のまま。

しかし、「2×4」の「4」はどうでしょうか。
4は、まだ、かけ算の形であらわすことができますよね。「2×2」です。

すなわち、8は「2×4=2×2×2」という、かけ算の形であらわすことができます。
※2は「1×2」しかなく、1は使わない約束だったので、「2×2×2」が答えになります。

(例題2)12をかけ算の形であらわしてください。
※ただし、「×1」のように1は使わないでください。

かけ算の形であらわすと、つぎのいずれかになります。

「2×6」…(A)
「3×4」…(B)

ここでは(A)に着目します。
※(B)でも同じ結果になります。

さて、ここで「2×6」の「2」に着目してください。
2をかけ算の形であらわすと「1×2」しかありません。1は使わない約束なので、2は2のまま。

しかし、「2×6」の「6」はどうでしょうか。
6は、まだ、かけ算の形であらわすことができますよね。「2×3」です。

すなわち、12は「2×6=2×2×3」という、かけ算の形であらわすことができます。
※2も3も、これ以上かけ算で表すことはできませんので、12をかけ算の形になおすと「2×2×3」となります。

(例題3)先ほどの例題と同じようにして「24」をかけ算の形になおしてください(今度は自力で答えを導き出してください)。

答えだけ書くと「2×2×2×3」となりますが、もしわからないのなら、例題1、2をもう一度よく読んでみてください。
さて、これができるようになると、「素因数分解」はすぐにわかります。

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「素因数分解をする」とは?

例題1〜3の答えを書いてみます。

・8をかけ算の形であらわすと「2×2×2」
・12をかけ算の形であらわすと「2×2×3」
・24をかけ算の形であらわすと「2×2×2×3」

8、12、24のいずれも素数ではありません(素数がわからなければ素数とは?を読み直してください)。
一方、かけ算のほうにある「2」「3」はいずれも素数です。

これを言い換えると、例題1〜3では、素数ではない8、12、24を、それぞれ、2と3という素数のかけ算、つまり素数の積の形にしたわけです。…(a)
※かけ算は、別名、積といいます。

ここで冒頭の定義を思い出してみてください。

「素因数分解する」とは「素数ではない数を、素数の積の形であらわす」という意味…(b)

つまり、例題1〜3では、素数ではない8、12、24を、それぞれ、素数の積の形にした、つまり8、12、24をそれぞれ素因数分解したわけですね。
※よくわからない場合は(a)と(b)をよく見比べてみてください。

すなわち、つぎのように言い換えることができます。

・8を、素因数分解すると「2×2×2」
・12を、素因数分解すると「2×2×3」
・24を、素因数分解すると「2×2×2×3」
※実際は累乗であらわすのですが、ネットだと累乗をあらわすのが難しいため、当面はかけ算の形にしています。

どうでしょうか。
素因数分解するという意味を、何となくわかっていただけたでしょうか。
それでは確認問題を解いてみてください。

つぎの数を素因数分解してください。

1.6
2.15
3.36
4.21
5.30

1.2×3
2.3×5
3.2×2×3×3(実際は累乗にしてください)
※「36=6×6=2×3×2×3」などと考えるといいでしょう。
4.3×7
5.2×3×5
※「30=5×6=5×2×3」などと考えるといいでしょう。

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素因数分解には「はしご算」

18、24など、桁数が少ないと上記の方法でも素因数分解できます。
しかし、2823のように桁数が多いと上記の方法だと素因数分解するのに、かなりの時間が必要になってしまうため、「はしご算」を使うといいでしょう。
はじご算については、次回解説します。

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